高齢者が楽しく日々の生活を送るためには、メンタルヘルスが要になります。メンタルヘルスは心の健康を指しており、心が健康であれば身体も健康になるという考えです。病気は気持ちからという言葉がありますが、特に高齢になると心の不安定が身体の抵抗力の衰えにつながります。メンタルヘルスの不調を遠ざけるためには、できるだけ身体を動かす工夫が必要です。身体を動かさないでいると、さらに動かすことが難しくなり、早期の段階で寝たきりになる可能性があります。
高齢者の食欲が低下している、睡眠トラブルが発生しているなどの状態は、メンタルヘルスの不調の前触れかもしれません。介護士ができることは、高齢者が感じているストレスや不安を軽減してあげることです。好奇心が失われてくると、同時に笑顔が少なくなってくる高齢者がいます。思考の状態はそのまま表情として出やすいと考えてください。以前と比べて笑わなくなった、一日中ぼーっとしている、などの状態に陥っているなら要注意です。
高齢者のメンタルを安定させるためには、薬物療法やカウンセリング療法などが役立ちます。それに加えて、生活環境を変えていく工夫も必要です。高齢者は仲間と積極的な交流を求めている人が大勢いますが、同時にプライバシーも必要です。ゆったりと落ち着ける環境を用意してあげることが、高齢者のストレス解消につながります。また室内に段差があると恐怖感を覚える可能性があるので、できるだけバリアフリーになるように工夫してください。